「経理」について話したい
こんにちは。うれたんです。
僕はしがないサラリーマンで、経理部門で仕事をしています。
最近、プライベートでは何のインシデントもないので、ネタがありません。仕事の関係の話をします。
経理として、皆さんに知っておいてもらえるとうれしい、そんな話をしたいと思います。
※株式会社についてのお話となります。悪しからず。。。
経理って何してるの?
経理ってどんなイメージですか?と聞くと
「なんか暇そう」
「ねちねち細かいことを言ってくる」
「度の強い眼鏡に袖カバー」(ステレオタイプ…)
みたいに返ってくるでしょう(主観です)。
少なくとも僕は前職(営業をしていました)ではそんなイメージを持っていました。
実際のところ、どうなのでしょう。
経理の仕事の目的
そもそもなんで経理って必要なのでしょう?
営業マンがいなければ、会社には売上がもたらされず倒産しますよね。
また、製造業であれば、モノを設計・開発する人、モノを作る作業員がいなければ何もできあがりませんよね。
そんな傍目から見ても事業の存続に必要不可欠な人々とは違い、経理は何をしているのでしょう?
一言でいうと、経理は「会社の動きを数字で表現する」という仕事をしています。
会社の活動は多岐にわたりますが、細かく見ていくと一つひとつの取引や事象に分けることができます。
各部門から報告されてきたその取引や、起きた事象をを記録し、集計するのが経理の仕事なのです。
記録には一般的に複式簿記という手法を使います。
一つひとつの取引を帳簿に記録し、年間を通して集計したものを使って決算書(財務諸表)を作成するのです。
なぜ決算書を作成するのか
理由は、大きくわけて2つあります。
社内的な利用と社外への報告です。
社内的な利用(管理会計)
この集計された決算書は経営者の手に渡り、経営がどういう状況なのか、うまくいっているのか、どこが弱いのか、それでは何をしなければならないのか、といった経営の方向性を決めるための重要な資料となるのです。
社外への報告(財務会計)
上場企業や大会社*1であれば財務諸表を開示する必要があります。
これは株主への報告や、情報公開のためです。
そもそも株式会社とは誰のものでしょうか?社長のもの?従業員のもの?
正解は「株主」のものです。
会社が上場するということ、これは大きな意義としては資金調達のためです。
株を発行し、それを人々に買ってもらうことで株主になってもらう、つまり会社に対してお金を出してもらう(出資してもらう)わけです。
でも、人々はその株を買うかどうかをどうやって判断すれば良いのでしょう?
そこで重要になるのが財務諸表です。
その会社の経営状態を知ることができる財務諸表をみて、人々は「この会社は大丈夫そうだ」とか「この会社はダメそうだ」とか判断するのですね。
この財務諸表は金融商品取引法(通称:金商法)で開示義務が定められています。
また、「財務諸表は開示義務がある、でも内容が正しいかわからないんじゃ買おうと思えないよ…」と思ったあなた、鋭いです。
決算書における数字は一応、操作することが可能です。
不正会計のニュースを見ることもあると思いますが、その不正を意図して行ったかどうかはさておいて、数字をいじるインセンティブが働きやすいという節はあります。
利益を水増しすれば、「絶好調の会社なんだ!」と思わせることができますし、架空の費用を計上すれば、その分国に納める税金が減ります(いわゆる脱税です)。
そんな状況を避けるためには、第三者の目が必要になります。
公認会計士という人々がいます。
彼らは、会社の作成した財務諸表を見て、問題がないかを厳しくチェックし、開示しても問題がないと判断(お墨付き)してくれています。
会計のプロである彼らのチェックをくぐっている、ということで財務諸表の信頼性が担保されるわけですね。
法制度も世間の目も厳しくなっている中、経理は目を皿にしながら間違いがないか、どこが間違っているのか、数字を追っているわけです。
経理の仕事の年間スケジュール
経理は忙しい時期とあまり忙しくない時期がはっきりしていることが多いです。
「経理って暇なの?」という問いには「繁忙期は忙しい、でも忙しくない月もある」と答えられます。
上述した決算書は1年間の集大成です。通常、区切りとなる決算月というものが各社において設定されていると思います。
日本で一番多いのは3月でしょうか。3月を年度の決算月として、4月からは新年度、という会社が一番多いかなと思います。
そのため、その決算月の周辺は何やら忙しい感じになります。
年度の決算書の作成に始まり、監査対応が待ち構えています。
当然、経営陣への報告もあるでしょう。
また、法人税の確定申告も待ってはくれません。
ともあれ、日本では4月は新入社員が入ったり、多くの異動があったりして、「スタート!」感のある時期だと思いますが、経理は4月を迎えても前年度と戦い続けているのです。
加えて、上場企業であれば(その他大企業も)四半期決算もあるでしょう。3月決算なら6月、9月(半期)、12月、3月(年度)と決算整理が待ち構えています。
なんでそんなに細かいの?
経理をやっていて、他部署の方に電話したり、席に伺ったりすると、ちょっと身構えられてるな、と感じることがあります。
嫌われている、とまでは言わないですが、何かミスがあったのか?と不安になることがあるようです。
確かに、お話に行くときは楽しい世間話ではなく、数字の根拠を聞きに行ったり、提出資料の催促であったりするので、そんな感じに思われるのも無理ないかもな、と思ったりもします。
僕が前職で営業をやっていたとき、経理のお姉さんが2階から降りてくると、フロアが「誰がやらかしたんだ!?」みたいな雰囲気になっていたりもしました。
(しかもそんなときに限って僕が間違えてたりするんですよね…「こんな細かいところ、いいじゃん!」とか「1日くらい遅れたっていいでしょ!」とか思っていたりしました…)
そんな僕も転職して、経理をやっているわけなんですが、当時のお姉さんの気持ちも少しはわかるようになりました。
なんで経理が細かいところばっかりねちねち言ってくるのでしょうか?
それは、必要なことだからです。
こちらも決して困らせてやろうと思って言っているわけではないのです。
どうでもよさそうなところにこだわるのは、それが必要だからです。
経理は割とがちがちにルールで縛られています。法律であったり、会計にもルールがあります。
また、社内において内部統制が設定されている場合、それにも従わなくてはいけません。
そういったルールに背いた結果、どうなるかといえば、正しくない決算書が作成されたことで、経営陣が経営判断を誤ってしまう、とか、株主をはじめ、社会からの信用を失ってしまう、とか極端な例ですがそんなことが考えられます。
そういったリスクを回避するため、経理はうざがられる覚悟を決めて、確認したりしに行くのです。
また、提出期限も同じです。
「提出期限を守ることは社会人として絶対に守るべきマナー」と新卒のときの研修とかで教わりませんか?
これは、提出期限に遅れることが続くとそういう人間なんだと周囲から思われ信頼がなくなってしまうから、と僕は教わりました。
経理が設定する提出期限も論理は同じです。
決算の時など、かなりシビアな日程で作業を行い、検討まで済ませ、決算書を仕上げる必要があります。
そのために必要な書類はタイムリーに入手したいわけです。
万が一、決算書ができあがらず、報告期限日に間に合いませんでした~なんてことになったら社会的な信用がダダ下がりです。
また、ギリギリもギリギリになり、検討が疎かになった結果、とんでもないミスが発覚する、なんてことを考えるだけで今日は眠れそうにありません。
経理も、やらないといけないことがあって、会社のために頑張っています。
あまりうざがらず接してくれると嬉しいです。
ただ、経理の人はともすれば専門用語を使いがちです。
そんな際もどうかうざがらずに教えてあげてください。「その言葉、専門用語だから説明してくれる?」って。
以上、最後はお願いになってしまいました。
よろしくお願いします。